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●先週のこぼれ話は、可愛そうなレトリバー、さくらの話でした。
●今週は、これまた独特のイギリス文化である、ブラックセンスオブユーモアについてです。あえて英語で表現したのは、日本語の適当な訳が見つからなかった為で、
皮肉り、風刺的表現、と言うのでしょうか。誰か適当な訳があれば教えてください。
●私がロンドン駐在時代は未だ子供が小さく、絵本を買っていました。
●その中で、『Bloody History of English History』という本があった事を覚えています。この本は、イギリス王室の血の歴史、について面白おかしく書いたもので、
小さな子供にもこんな歴史観を伝えるのだな、とイギリス人の一面を見た感じがしました。
●さて、皮肉り、風刺も社会に強く根付いた英国文化です。政治に限らずありとあらゆる事を皮肉ります。個人であろうと、社会現象であろうと皇室であろうと、日本人から見ると、非情すら感じます。
●最近の例では、ベッカムとビクトリアが一番取り上げられており、次がレディーDでしょう。ダイアナについては何年も続いていますが、1つの噂が消えるころになると、
新たな証人、証拠がでてくるという、不思議な現象になっています。
●4月にロンドンに行ったときにはこんな事がありました。
●あのベッカムと噂のある女性がテレビに出演し、夜9時から関係を洗いざらい話す、というのです。その日のオフィスの中はこの話題で盛り上がり、気のせいがその日の夜のロンドンは人影が少なく感じました。
●これらのネタはスキャンダル誌がお金を払い、証人をしたて、見世物にしている事が多いのですが、それでも多くの一般大衆英国人は楽しみにしています。
●そして、相手への中傷、皮肉りを社会全体でも、個人レベルでも平気でやります。
●ここ何年もの間、その中心にいるのはチャールス皇太子です。大きな鼻、薄くなった頭髪、という身体的特徴はもちろん、その言動過去の恋愛歴、 ダイアナとの関係、お母さんであるエリザベス女王との関係、などあらゆることが皮肉られています。
●又、普通の人の生活でも、このブラックセンスオブユーモアは根付いていて、会社、友人、夫婦間、親子間でも日本人が聞くと、『そんな事、言ってしまっていいの?』と思わず叫んでしまいそうになる、シーンに出くわします。
●よっぽど、面の皮が厚いのか、ある面での、心の感覚が麻痺しているのでしょう。
●私たち外国人はその対象になりにくいのですが、住み始めて少しするとその残虐性を持った皮肉が回りから少しずつ聞こえてきます。 スーパーで買い物をした時、通りで他人とすれ違った時、など、このイギリス人特有の嫌らしさがみえてくるのです。でも、それを乗り越え、余裕をもって楽しむようにならないと、
イギリス人の中には入っていけません
●出だしに書いたように、英国は日本人に表面的にはとてもなじみ易い国ですが、本当の友人となるには、かなりの我慢と経験が必要です。
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