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@日本人の長寿傾向
日本が世界一長寿である事は広く知られている。これをデータで見てみよう。まず平均寿命。2010年で、男80歳、女86歳である。どうして女が6歳も多く生きれるのか、男の私から見ると理解を超えるが、これがデータである。次に平均で何歳まで生きるのか(生存率)、という統計を見ると、男83歳、女89歳である。平均寿命はゼロ歳児があと何年生きるかを示している。つまり2010年に生まれた赤ちゃんが死ぬまでに何年あるか、と言い換える事が出来る。幼児期の高い死亡率を含めた計算になるので、幼児期を生き抜いた子供・大人が後何年生きる事になるのか、をはかるには平均寿命では正しくない。そこで生存率の方が、より現実的な年齢データになる。さらにこれも平均値なので、半分の人はそれ以上生き続ける事になる。さらにその半分、つまり25%の人が何歳まで生き延びているかに注目すると、男で89歳、女で実に96歳とのデータになっている。もう一度言い換えると、大人になった女の1/4は96歳まで生きているのである。さらに同じ統計によると、女の7%は100歳まで生きる事になっている。確かに長寿の国である。ここまで書いてみて感じるのは、自分の感覚より長寿であることだ。これは嬉しい事であると同時に心配事でもある。人間は有史来、長寿を願い色々な事をやってきている。これは歴史が証明している。医学的には人間の体を作っているパーツは120歳位まではいけるらしい。それから見るとまだ80%であるが、数十年前まで、寿命は60歳代であった事からすると、驚きである。人間のもつ基本的欲求である長寿は、達成されつつあると言える。一方、心配な面は、健康に楽しく生きられるか、そして経済的に続くのかである。国民的議論になっている年金・社会保障問題の根源はここにある。制度設計された数十年前には誰も予想できなかった、長寿になった為、原資が不足している訳だ。同時に少子化社会になっているので、増加した年金と社会保障の費用負担を現役世代からの税収入と企業からの法人税でまかなえない構造が続いている。それが赤字国債の大量発行の原因だ。ある意味では負のスパイラルに陥っているが、人間の永遠の夢であった長寿を世界で一番達成している日本である事も忘れてはいけない。我々の英知を使って、夢の達成が幸福をもたらした事に絶対に持っていく必要がある。
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