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@少子化進む日本
少子化が言われて久しいが、こどもの日にあわせて総務省が昨日発表した統計によると、2012年4月1日現在の15歳未満の子供の人口が1665万人になり、昨年より12万人減少した。これは1950年の統計開始以来過去最低である。男子が852万人、女子が812万人で1982年以降31年連続で子供の数が減少した事になる。総人口に占める子供(15歳以下)の割合は、1950年には35.4%であったのに対し、今年は13.0%になり、戦後60年間で22ポイント減少した。この数字は、アメリカ19.8%、中国16.5%、イタリア14.0%、ドイツ13.4%を下回っている。少子化が日本より先に社会問題になったヨーロッパに比しても日本の少子化問題がより深刻である事がわかる。一方都道府県別では、東京都と福岡県が前年に比べてわずかに増加したが、その他の府県では減少になった。4月17日に発表された日本の人口統計を見ると、2011年 10月1日で、日本の人口は1億2779万9千人。これは前年比で25万9千人の減少で、矢張り1950年以来最大の減少になる。これは明らかに、将来の日本の姿を表していると言える。若い労働力が減少、一方日本人の寿命は世界一である事から、今大きな問題になっている年金、社会保障をどのような構造で支えていくのか、又世界の中での日本の経済的位置づけをどのようにしていくのか、他の国々が経験した事の無い道を進まねばならない。さらに予想によると、2030年から25年間で日本の人口は2500万人減少することが示されている。これは平均で毎年100万人が減少する事を意味している。より分かり易く言い換えると、富山県、秋田県の人口が約100万人なので、これらの県の規模の人口が毎年消えていく事になる。これらのデータを突きつけられて、私たちは何をしなければならないのだろうか。国としての借金がGDPの2倍になっている事、それを解消する方法を見つけられていない事からも、日本がますます停滞して行くであろう事が容易に予測できる。既に現象として、若者の非雇用問題、貿易と経常の赤字傾向などが表面化している。確かに今の日本で生活する限り(一般的には)、街に商品が溢れ、医療もそこそこ充実し、おいしいものも手に届くところにある。従って迫り来る危機に対する意識が湧いてこないのも現実である。ただ、データを冷静に考えれば考えるほど、我々が思っている以上に日本の病は深刻であるだろう。早期発見、早期治療しかそれを抜け出る方法は無いと思う。
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