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@フランス大統領選挙と原発
22日にフランスの大統領選挙が行われる。先月のロシア大統領選挙に続く、大国の大統領選挙の第2弾である。今回は現職のサルコジ大統領の後任を選ぶ事になる。最終的にはサルコジ大統領を含め10名が候補になっている。フランスはロシアと同じ国民による直接選挙制である。 下馬評では、サルコジ現大統領と社会党のフランソワ・オランド氏の一騎打ちとのことである。22日の選挙で過半数を得た候補がいないときは、5月6日に上位2名による決選投票になる。 さて、今回の選挙の特徴として、原発が話題になっている事がある。フランスは世界一の原発大国で約75%を原発に頼っている。その結果、フランスの電力料金は他国に比べて3割ほど安いそうで、各産業のコスト、国民生活のコストをサポートしている。原発はフランスに取って国家の一大事業になっている。その様な背景があるため、昨年の日本の大震災時にもフランスは震災後1週間以内に、特別サポートチームを日本へ派遣した。又、サルコジ大統領自身もすぐに来日して、原発の安全性を強調していた事は記憶に新しい。今回の大統領選挙では昨年の福島の惨事を見て、そのフランスで、原発を将来に向けて減らしていくべきでないかという論争がされている。社会党のオランド氏は2020年までに現在の75%から50%までに減らす政策を打ち出している。又先日6万人規模の原発反対運動が行われ、以前のフランスでは想像できなかった事件であった。今回のフランスでの原発論争、もちろんサルコジ大統領は安全である原発推進派であるが、22日にフランス国民がどのような判断を出すのか、注目される。 一方日本では、政府の曖昧な発言が続いており、いかにも日本的な光景を見る事が出来る。大飯原発3号、4号機を再稼働するかが直近の課題であるが、関西電力のいい加減な発言を聞くにつれ、政府はどのように進めるのであろうか。原子力保安院、安全委員会、電力会社の責任者の発言から判断する限り、誰も責任を取りたくないので、断言を避けている。安全だから再稼働すべき、なぜなら再稼働しないとこれだけの不便が予想される、コストが上がる、これだけの犠牲をはらっても危険が管理できないので再稼働すべきでない、など国民が分かり易い透明性のある説明、考え方、そして決断が今求められている。
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