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@シェールガスとガソリン価格の関係
アメリカで石油に変わる化石燃料として開発が急ピッチで進むシェールガスであるが、その増産が石油の価格下落の要因になっている。 最近の石油価格は下落の一途で、昨日は1バレル85ドルまで落ちた。数週間前には100ドル超えが当たり前で、その影響を受け、
日本国内のガソリン価格も1リットル160円に達していたが、先月下旬から150円を割るところも出てきた。 さらに今月に入って都内では140円を割るところもある。価格上下の激しいガソリン価格であるが、その要因がシェールガスにあるとのことである。
シェールガスと同時に生産されるLPGのプロパンが原産国のアメリカから欧州に流入し、その結果欧州であまった石油がアジアに流れている。 欧州の石油化学プラントはナフサとプロパンの両方を使える機能を備えており、価格が安い方を使うことで操業ができる。
アメリカでのプロパンが低価格で供給されることからナフサが不要になるわけだ。例として、ナフサの価格は1トンあたり750ドル。 一方、プロパンがトン当たり380ドルである。これではナフサの需要はなくなる。これを図解すると以下の様になる。
アメリカのシェールガス増産→アメリカの低価格のプロパンの増産→欧州化学プラントのプロパン需要増;ナフサ需要低下→ナフサ(石油製品)のアジアでの値下がり;供給増
→アジアでの石油製品のだぶつき →ガソリン価格低下
一般消費者にとってガソリン価格の低下は喜ばしいことである。又運送業にとってもコスト減となり、結果いろいろな物価に好影響がある。
一方、アラブの産油国にとっては収入が減ることになり、国家の収入を石油に頼っている国々にとっては一大事である。
今まで石油の価格は石油が枯渇するという噂が高まるたびに、高騰してきた。その利益は産油国の懐に入っていた。
アメリカでシェールガスを開発しているのは石油メジャーが絡んでいるので、アメリカメジャーは石油とシェールガスの2つの製品を使い分けるが、
アラブ産油国やベネゼエラ、ロシア、などはそうはいかない。石油一本に頼っていることから、今後の世界政治の力関係にも影響のあるシェールガス戦略である。
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