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@中国の景気減速
いよいよ中国頼みの先行きが怪しくなってきた。中国国家統計局は13日、2012年1~3月期の国内総生産(GDP)が、物価変動の影響を除いた実質で前年同期に比べ8.1%増えたと発表した。成長率は5四半期連続で鈍化し、8%台にとどまるのは8.9%増だった前の期から2四半期連続。欧州債務危機の影響で輸出が伸び悩み、国内の生産活動も鈍ったためだ。12年1~3月期のGDP成長率は市場の事前予想の平均(8.2%)を下回った。前期比では1.8%増と、11年10~12月期の2.0%増から縮小。世界経済全体からみればなお高水準だが、昨年から減速が続いている。中国は、20世紀後半から21世紀初頭に掛けて世界の工場として位置づけられ、先進国の製造業が大挙して進出、安い労働環境を利用して、先進国向けの製品をつくり多量の輸出を行った。最近5年間は、それ以上に、中国国内市場が活況を呈し、世界の企業が中国国内での売り上げを狙って進出をしている。船会社の中国のビジネスからもこの事が顕著に観察できる。21世紀初頭までは完成品を中国から先進国であるアメリカ、ヨーロッパ、日本へ輸出するのが殆どの荷物であった。それが現在では、完成品の中国向け貨物が飛躍的に増えている。特に大きいアイテムが自動車で、特に高級自動車を製造するドイツのメーカーから中国へ持ち込まれる量が多い。先進国は経済的に低調な時期が続いているが、中国マーケットのみがそれの救いとなっていた。今回の当局の発表では、その勢いが落ちてきている事が見て取れる。その理由として、 成長の鈍化の背景には輸出の不振と投資の減速があげられる。10年に3割、11年に2割増えた輸出は、12年1~3月は7.6%増。最大の輸出先である欧州連合(EU)向けの落ち込みが響いている。一方内需は底堅いとの事である。地方政府がインフレや不動産バブルにつながりやすい過剰投資に走るのをけん制する狙いで成長目標を抑えた面もある。中央銀行の中国人民銀行は昨年12月と今年2月の2度にわたり、金融緩和の効果がある預金準備率の引き下げを実施。成長維持を意識している。
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