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契約書とビジネス
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契約書とビジネス 翻訳業者の海外ビジネスWatch
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●ビジネスにおいて契約はあらゆる場面で使われますが、その契約に対する考え方は国民性によっていろいろです。ですから、海外企業と契約を交わす時には、
相手の国民性を考え十分に注意して、契約にサインする必要があります。
●うっかりして、あるいはこちらは善意で契約をしたのに、先になって苦い思いをしたケースは、例を挙げるのに事欠きません。
●私が犯した一番の失敗は、南米のある国で代理店契約をした時でした。当然、これからビジネスを始めよう、という時は契約を交わす双方とも期待に想いが膨らみ、気持ちが舞いあがっています。
●積極的で良い面ばかりへ目がいき、悪い面への気配りがおろそかになりがちです。そんな悪いことが起こる筈はない、とか、悪くなったらお互い助け合って解決しよう、と考えます。
●それが甘い!悪魔の囁きです。
●私もそう考えていました。当社の製品でビジネスをしてくれる相手である事、それなりに相手も投資をするのだから、たとえビジネスが悪くなっても、 うまく解決できるだろう、と考えたのでした。
●契約を交わして2年が経ったときです。その国の政情が悪化して、ビジネスの継続が難しくなりました。そして、その代理店からの支払いが遅れ始め、 売掛金が大きく滞納し始めました。
●当然、そのような状況下では、その国の外貨事情も悪くなるので、現地通貨でビジネスをしている代理店にとって、外貨(ドル)での支払いは苦しくなります。
●しかし、その代理店は、輸入した商品の在庫は少なく、既に現金化されていたのですが、政情悪化を理由に支払いを延滞してきたのです。
●ビジネスはストップ。そして6ヶ月経っても代理店との話し合いはラチがあかず、大きな売掛金を抱えた当方は、訴訟を起こして、裁判所の判断を仰ごうとしました。
弁護士を雇い、いろいろと策を練ったのですが、その国には代理店保護法があり、外国企業がその国で勝訴する事は殆どないとの結論になりました。
●どうして契約時に代理店保護法のことをもっと調べて、緊急事態にそなえなかったのだろう、と悔やんでも後の祭りでした。最終的にはこの売掛金は回収できませんでした。
●代理店保護法が弱い国もあります。反対に、どんなに頭を使っても、外国企業が有利に契約をできない国もあります。契約を盾にその国の法律の影に隠れる相手もいます。
それぞれの国の文化、考え方を十分に理解し、法律を見極めてから、契約をしてください。
●そのためには言葉による表現がとても大事です。契約書は文章ですから、その理解の仕方をめぐって、もめる事がよくあります。もし、 翻訳者などに契約書の訳を頼む時は、両方の言葉と考え方・文化に良く通じた方をできる限り探してください。
●決して簡単に考えないようにしてください。”そんな事は、言われなくてもわかっている”と思われるかもしれませんが、念には念を入れましょう。
●最後になりますが、契約書は必ず相手用に1部、自分用に1部、オリジナルを用意し、 それぞれに確実にサインをします。その時大事なのは、相手の署名をする人が、法的に会社を代表できる立場かどうかです。
契約の内容にもよりますが、交渉相手が署名者の資格があるかどうか、分かりません。よく確かめましょう。
●署名は日本語でも、ローマ字でも結構です。パスポートと同じで、しっかりした署名であれば構いません。自分に一番自信のある書き方で行ってください。
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