@太平洋・島サミット
マイナーな国が参加していたのでメディアもあまり書き立てなかったが、昨日、太平洋・島サミットが閉幕した。この会議はトンガやミクロネシア等12カ国が参加して行われ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカも日本政府の招きで参加した。今回の開催場所は沖縄の名護市で、万国津梁館にて本会合が行われた。閉会に当たり、野田佳彦首相は「日本は海洋国家として太平洋の平和と繁栄に貢献したい」と述べ、今後3年間で最大5億ドル(約400億円)を援助することを表明、そしてサミットは共同宣言「沖縄キズナ宣言」を採択した。首相は会合後の記者会見で「中国も太平洋諸国の重要な援助パートナーであり、中国を含む新興ドナー(支援)国が援助の透明性を高めることが重要だ」と強調。長期低利融資で各国の対中債務残高が膨らんでいることを踏まえ、中国に返済能力を超える過大な援助を自制するよう求めた。共同宣言では、日本が島国を対象とした「太平洋自然災害リスク保険」や、地震・津波などの早期警報システムの導入を支援すると明記。中国の海洋進出を念頭に「太平洋の平和と安全を維持するうえで国際法が果たしている役割を認識する」として、国連海洋法条約の重要性を強調した。ここで重要なのは、中国を意識した発言であろう。中国が覇権をもとめると、太平洋に進出せざるを得ない。そのときの主力戦力は海軍であり、その通り道はロシアと北海道の間か、九州と台湾の間、つまり沖縄海域になる。ここで東京との石原知事が最近発言して物議をかもした、尖閣列島問題が浮上する。又、このラインの次ぎにくるのは、フィリピン、ニューギニア、トラック諸島、マーシャル諸島などになる。これらの中国包囲網をきちんと束ねておく事はこれからの戦略では大事になり、その中心を日本がリードするのは正しい事であろう。さらにそれらの国々の後方に位置する大国である、オーストラリア、アメリカを巻き込んだ会議体は重みを持つ。中国のこれからの出方によるが、太平洋地域で経済協力を含め団結を強めていく事は日本の防衛面でも意味のある方針である。
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