@次期主力戦闘機購入に思う
長い間日本の防衛費はGDPの1%以内に抑えるという不文律が存在している。1つには第2次大戦を起こした日本として、極東地域で不必要な摩擦を他国と起こさない為であり、もう1つにはGDPが突出していた日本の1%は絶対額で他の国の国家予算の数十%に匹敵するので、巨大化をさせない為であった。その情勢が中国の最近の台頭で大きく変わってきている。その中国に対抗する為に、空の守りとして政府は次期主力戦闘機の購入を決定している。その購入価格が問題になっている。次期主力戦闘機に決まった最新鋭ステルス機F35を巡り、米側から提案を受けていた1機当たりの調達価格99億円を守るよう米政府に要請する方針だ。米国防総省の米議会への報告で、1機当たりの価格が高騰する懸念が強まっているためだ。ただ初回に購入する4機は米政府が価格や納期に決定権を持つ契約で、日本側の思惑通りになるかは不透明だ。日本政府は計42機を購入する計画で、まず2016年度末までに4機取得する。4機は本体分の約89億円に部品価格の10億円を加えて1機あたりの完成品で99億円と見積もっており、12年度予算に計上している。契約時期は6月下旬の見通しだ。ただ先月30日付の米国防総省による米議会への報告で、日本が購入予定の42機の総額は推計100億ドル(約8000億円)になることが判明。単純計算で1機当たり約190億円となる。パイロット訓練などの必要経費が含まれるが、想定していた調達価格を大きく上回る。藤村長官は会見で「(当初の)提案内容通りの機体の納入を米側に要請していく」と語った。問題は契約の仕組み。当初の4機は米政府が価格や納期の決定権を握る対外有償軍事援助(FMS)の形態をとっている。完成品を早期に導入できるメリットがある半面、日本側は受け身にならざるを得ない。日本政府の要請が受け入れられないまま契約に至る可能性がある。F35を巡っては昨年来、機体に亀裂が入るなどの不具合が相次ぎ、開発遅れが表面化した。「米国の調達の遅れや他の同盟国の買い控えで価格が高騰する」(防衛省幹部)との不安も指摘されていた。だが日本政府はこうした事情を「すべて織り込み済み」(同)で導入を決めたはずだった。もし1機の価格が190億円になると当初の目論みの倍になる訳で、こんなおかしな話は無い。裏地上に何があるか分からないが、医療費、年金原資など山の様な課題を抱えている日本にそんな余裕は無いであろう。
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