@法人税率引き下げ競争
ここ数年、先進国間で法人実効税率の引き下げ競争が繰り広げられている。ビジネスのグローバル化が進むに連れて、グローバル企業はどこの国で利益を挙げる事が、より節税になるかに敏感になってきている。英国が昨日、2014年に法人税を原稿の26%から22%に下げると発表した。まず来月に24%にさげ、2013年にさらに1%下げて、2014年に22%にする計画である。一昔前までは、22%の法人所得税は、所謂タックスヘブンと呼ばれる国々の税率であった。私自身の経験から、シンガポール・香港でも2000年以前は20%を上回っていたと記憶している。これらの法人税が低い国々が相次いで20%を下回る様になり、シンガポール、香港では現在およそ17%になっている。欧州ではアイルランドが12.5%と極端に低い。いずれも自分の国に企業を呼び込み、活動をしてもらいたい事がその理由だ。この傾向に引っ張られ、先進国も追従する形で相次いで法人税率を下げている。次の表をみてほしい。国税である法人税と(日本では地方税になる)法人住民税を合計した実効税率では、アメリカと日本が約40%と最も高くなっている。アメリカも先日、法人税を下げていく方針であると発表した。日本企業の地盤沈下が叫ばれているが、このままでは日本に来る海外企業がなくなるばかりでなく、グローバル化している日本企業も、日本脱出をより真剣に考える様になるだろう。日本政府の世界の流れを先取った戦略と実効が望まれる。
国名/法人所得税/法人住民税等/法定実効税率(合計税率)
イギリス/28/0/28%
フランス/34.43/0/34.43%
イタリア/27.5/0/27.5%
ドイツ/15.825/14.35/30.18%
オランダ/25.5/0/25.5%
アイルランド/12.5/0/12.5%
ポルトガル/25/1.5/26.5%
スペイン/30/0/30%
スイス/6.7/14.47/21.17%
フィンランド/26/0/26%
スウェーデン/28/0/28%
デンマーク/25/0/25%
オーストラリア/30/0/30%
メキシコ/28/0/28%
アメリカ/32.7/6.55/39.25%
カナダ/19.5/14/33.5%
韓国/25/2.5/27.5%
日本/27.98/11.56/39.54%
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