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大飯原発再稼働問題に見る日本人観

 
 

@大飯原発再稼働問題に見る日本人観
大飯原発が再稼働することになる、と各メディアが伝えている。政府としてはステップを踏んで、地域の意見、専門家の意見を聞き、最終的には政治判断の名の下、決定をするようだが、これらのニュースを見ていて、どうしても分からない事がある。それは、曖昧さをそのままにして、この様に大事な事が決定されるプロセスだ。まずは安全基準。これは何が安全基準であるか、それに対し現状はどこまで満たしているのか、もし不足であるなら、いつまでにいくらかけてそれを満足させるのか、を1つ1つ整理して分かり易く国民に伝える必要がある。それがされていない。次に政府の論点が2度3度と変わる事。3月頃は、安全基準が満たされない限り再稼働はあり得ない、国民に説明して納得を得られなければ行けない、との主張であった。次にその安全が十分に確保されるのには数年かけて補助電源等を設置する必要がある事が明確になったら、夏場の電力が不足するので原発は必要、との論理に代わり、安全基準のポイントが後退した。電力不足のデータは関電が出していたが、そのデータが見直され、うまく節電をすれば、どうにかなりそうだと流れが変わったとたん、経済の問題にすり替えられ、ブラックアウトや計画停電などの処置をとることになると産業界に打撃がある、それを避ける必要があるので、再稼働をさせたい、という論調になっている。この流れを見ると、再稼働ありきで、その理由付けを潰されるごとに、新しくしているに過ぎないとの批判が出てくるのは明白である。安全が満たされなくても、経済的打撃を受ける可能性があるので、再稼働する、ということでの国民の合意をとる必要がある。昨日の関西広域首長会議では、“暫定的”とか“限定的”という言葉が踊った。政府がどうしても再稼働が必要と判断するなら、その稼働期間は限定されるべきだ、つまり電力の足らない夏の期間のみだ、というのが首長達の理解と主張とされるが、それに対し政府は明確に期間を明言していない。もし経済的負担をいるのであれば直接コストの高い火力発電ではなく、原発が限定的という言葉のもと、他の安価な発電手段が出てくるまで続けられる理屈になる。限定、暫定という耳当たりの良い日本語を持ち出したのは、日本人の知恵かもしれないが、国際的に見ると不思議な国民である。もし安全を本当に考えるなら、100歩譲っても、限定期間を明記し、その合意を取り付ける必要がある。曖昧な定義である用語をつかい、明確にするのを意識的に避け、その場を取り繕う形で結論し、とにかく前に進めるという日本人的手法は、原発の問題に関しては、やってはいけない解決手段だ。

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